takecyan_kodawariの日記

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米朝首脳会談がベトナムで開催される理由が面白い。

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 2019年の2月27、28日において、ベトナムの首都ハノイで開催されることが決まりました。
世界中の人がなぜベトナムなんだ?と疑問に思っているところであります。しかし、それには理由があります。
まず、北朝鮮側の狙いとしては、自国経済の改革・解放を金正恩体制を維持させたまま、実現するところにあります。
 そもそも、20世紀での世界では、資本主義国家と共産主義国家との間で軍事でも経済でも戦争を繰り返してきました。
資本主義国家は資本主義という拡大していく経済システムにとって、国力を増強してきました。大国同士の戦争は第二次世界大戦以降、ほとんど見られなくなりましたが、代わりに代理戦争が起こりました。朝鮮も南北で分断されました。20世紀では、あらゆる国が南北・東西で分断され、それぞれが資本主義勢力と共産主義勢力になりました。
 だが、朝鮮半島の事情をみていると南北で政治的に対立したり、融和ムードをアピールしたりといろいろやっている間に世界の経済はどんどん豊かになっていきました。中国やインドだけではなく、タイ、マレーシア、シンガポールベトナムインドネシアなどです。これらの国は市場の改革開放路線に踏み切り、国家としてすごいスピードで成長してきました。つまり、朝鮮は周りの新興国に遅れを取っていたのです。このままでは、朝鮮は大きく出遅れてしまい、アジアの覇権を握るどころではありません。金正恩は海外の経済事情について勉強しており、自国の経済を発展させていきたいと考えました。
 しかし、そこで問題があります。現代の資本主義システムでは基軸通貨のドルを握っているアメリカと政治的に対立したままでは、国を豊かにすることができません。中国でさえも、アメリカ国債を買ったり、外貨準備金でドルを買ったりとアメリカと真っ向から対立していません。アメリカに認めて貰わないと、世界の金融システムには入れて貰えませんから、本気でアメリカに喧嘩を売ることは出来ません。
 そこで、問題を解決する方法として、朝鮮半島の統一があります。北朝鮮や韓国単独の国力では、まだまだ国際社会での発言力が弱いのですが、統一することにより、大きな影響力を持つことが可能になります。
 朝鮮が統一すると、新国家はおよそ人口7600万人、面積22万平方キロ(日本の三分の二くらい)、経済規模は1.4兆ドル(日本の3.5分の1)、貿易額9000億ドル(日本の70%くらい)になります。これに米軍と共同訓練していた韓国軍、核兵器化学兵器等を開発していた北朝鮮の技術を持つ、大変、危険なことになります。これほど危険な国が日本のすぐ近くに誕生します。
 これに加えて、バックには中国やロシアがついています。このままでは、本当に太平洋の西側半分は共産主義勢力に支配されます。
 また、アメリカにとってどのようなメリットがあるかについてですが、北朝鮮の市場開放が進めば、経済の力で朝鮮に影響力を与えることができます。また、北朝鮮は前時代的なインフラであり、まだまだ近代国家としての体をなしていません。つまり、インドや日本の発展で巨額の富を得たアメリカは、次は北朝鮮というフロンティアを開拓し、さらなる富を狙っています。北朝鮮の人々がマクドナルドやスターバックスで買い物をしたりする日が来ることを狙っています。そうです。アメリカの狙いは金儲けであると同時に、朝鮮を資本主義に染めようとする計画があるのです。戦後、我が日本にも多くのアメリカの企業が参入し、またマーケットを狙ってきました。
 ここで、本題であるベトナムで開催される理由ですが、そもそもベトナム共産主義国家でした。朝鮮のように南北で分断させましたが、今となっては南北の統一およびドイモイ政策によって、国は発展していくことになった。しかも、共産党による政権の維持を果たしたまま、解放路線を進め、見事に成功したのである。さらに、国際関係においても、ベトナムベトナム戦争で米軍を追い詰めた歴史があり、日本と違ってアメリカに負け、植民地支配されたわけではないことから、金正恩体制はアメリカにひれ伏したわけではなく、アメリカに譲歩させることに成功した。自分たち朝鮮民族アメリカより強いと国民にアピールさせる狙いがあります。アメリカは自分たちに恐れて手を出さなかった。自分たちが勝ったと国民にプロパガンダしたまま、市場開放を成功させたいわけです。だから、予算の関係でもそうですが、第三国で開催することにより、自分たちのメンツを守ることが出来ました。
 ベトナム北朝鮮と国交があります。また、歴史的な友好関係もあり、北朝鮮が信頼できる数少ない国がベトナムなのです。そして、アメリカも今ではベトナムと良好な関係を続けています。アメリカはベトナムにも投資を行っており、富を得ることが出来ました。米朝の関係の仲人は日本、中国、韓国などでは務まりません。ベトナムは仲人役としても適任であるし、また北朝鮮ベトナムが行った改革開放路線なら納得するのではないかという読みもあります。米朝は歴史的にこれからは仲良くしましょうなんて出来る関係ではありません。
 あらゆる面でも、調整役の役割をベトナムが行うことが考えられ、それに基づく経済的利益を享受することが出来るベトナムにはデメリットはありません。だって、今でも北朝鮮の公営レストランがあるのがベトナムであり、銀行でドルを預けることが出来るのもベトナムだからです。今後、北朝鮮の株式市場がどこで設置されるのかは分かりませんが、アメリカ市場のADR北朝鮮のメンツから考えにくいでしょう。
 ベトナムにとって最大の懸念材料は中国です。圧倒的軍事力を保有する中国から自国を守るためには、アメリカに借りを作るいい機会にもなります。アメリカに協力することにより、ベトナムアメリカにとってかけがいのない国となり、中国の脅威から守って貰おうという思惑も考えられます。ベトナム単独ではアメリカ、中国には歯が立ちません。だからこそ、ベトナムも生き残りをかけて、国際関係に影響力を示しておきたいのではと私は考えています。

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